「大丈夫だよ少しくらい。私を早く死なせたくて厳しくしてんだろ?全く料理は下手だし、掃除もなってないし、気が利かない嫁だよあんたは。」
周囲の人も車いすを押す女性に同情をしはじめていた。

その時急に頭痛に襲われた私。

頭の中で誰かの声が聞こえてくる。

焦って車いすの女性を見ても、その女性の口は動いていない。

これは私の記憶の中から聞こえてくる声?


年配の女性の怒鳴り声に近い声。
『あんたは疫病神だよ。私の不幸はあんたを産んだことから始まったんだ!』
「・・・」
私は手にしたばかりの買い物かごを入り口に戻すと店から出た。

買い物ができる状態じゃない。