「鈴」
「ん?」
「抱きしめてもいいか?そのまま寝てもいいから」
「・・・」
少し悩んでから私が毛布の中で頷くと嶺はそっとそっと私を毛布ごと抱きしめてくれた。

嶺の心臓の音が全身に響いてくる。

抱きしめられてすぐは緊張して体に変な力が入っていた私もいつの間にかその胸の音に心地よさを感じて睡魔を感じた。

それは薬を飲んだせいかもしれない。

でも、あたたかなぬくもりに心まで満たされていくような感覚が心地よかった。


朝起きると私はソファの上で嶺の体の上に抱きしめられて乗るような体勢になっていた。