もう一度君と ~記憶喪失からはじまる2度目の恋~

「鈴」
突然名前を呼ばれて私が振り向くとそこに嶺が立っていた。
部屋着姿の嶺。

「ごめん、ノックしたんだけど」
嶺が立っているのはベランダの入り口。
そして私がいるのはベランダ。
今日もベランダに座っていた。

いつの間にか眠っていた私。

こうしてベランダに出ている姿を見られるのははじめてだった。

「眠れない?」
「・・・うん」
初めて言う、眠れないという事実。
嶺は寂しそうに眉を下げて微笑んだ。
「何となくわかってた。」
「ごめん・・」
「謝ることない。薬持ってくるから。待ってろ。」
「・・・」
ベランダに私をのこして嶺が寝室を出て行った。