「クローゼットにエプロン入ってたはずだから」
と嶺は買ってきたものをキッチンへ運んでくれた。
私は自分のものだというクローゼットの中からエプロンを探す。

そこに収納したのは自分のはずなのに、いくら探しても私は探し出せない。

『コンコン』寝室の扉がノックされて「はい」と返事をすると心配そうな顔をした嶺が顔をのぞかせた。
「大丈夫?何かあった?」
「エプロン見つからなくて・・・ごめんなさい」
「なんで謝るんだよ。鈴、こっち来て。」
嶺は優しく微笑みながら私の手をひき、廊下を歩いていく。
「ちょっとここで待ってて。」
そう言って嶺は自分の荷物を運びこんでいる客間に入って行った。
部屋の入り口で待っているように言われた私がうつむき待っていると「お待たせ」と部屋から嶺が出て来た。

「ほら」
嶺は私の頭からすっぽりと大きなTシャツをかぶせる。