「座ってろ」
「手伝う」
「いいから。もう終わるし」
「じゃあ、ここ片付ける」
恭に距離をとられたような気がして私が少し不機嫌に答えても恭はひかない。
「顔色悪い。疲れてんだろ。休んでろ。できたら呼ぶから。」
「いやだ。」
私もひかない。

恭は手を止めて私の方を見る。でも、私はシンクに視線を向けたまま、恭の顔をわざと見なかった。

大きく深いため息・・・。

「鈴」
名前を呼ばれて私の心が大きく揺れる。

あと何度こうして名前をよんでもらえるのだろうか・・・