所長の他 数名の会計士と 資格取得を目指して 勉強中の所員が数名。
 

「香山さんって そういうタイプだったんですか。」

私の腰に 手を回したまま 肉を焼く隆三に 飯島さんという 若い所員が 驚いた声で言う。
 
「好きにさせてやれよ 飯島。香山は ベタ惚れなんだから。最近の 浮かれぶり見れば わかるだろう。」

30代半ばの 立川さんという先輩が 笑顔で言う。


恥ずかしくなって 私は 隆三を見上げる。


隆三は 私を引き寄せ 肩を抱く。


やれやれという顔で 微笑む立川さん。


焼けたお肉を 私が 隆三のお皿に 取ろうとすると 


隆三は『アーン』と口を開ける。

私は『フーフー』と肉を冷まし 隆三の口に 入れてあげる。
 

「うまい。」

と嬉しそうに笑う隆三。


驚いたような 呆れたような顔で 飯島さんは ため息をつく。