「ユズ、何時でもいいから。どんな結果でもいいから。終わったら 連絡して。」


土曜日 私は 歯医者さんの後で 浩太に会う。

駅まで 私を 見送ってくれた 香山さん。



「うん。ありがとう。頑張ってくるね。」

私は ぎこちない笑顔で 香山さんに手を振った。
 

東京駅、銀の鈴で 浩太を待っていると まもなく 浩太は歩いて来た。


『私、この人の どこが好きだったのだろう』

作った笑顔で 私に近付く浩太を見て 私は思う。