付き合い始めた頃 私が どこか 行きたい所を言うと 浩太は 必ず却下した。

遠いとか、混んでいるとか。


映画が 見たいと言うと 

DVDになってから 家で 見ればいいと言われた。
 

その時 別れるべきだった。

今になって思うけれど。


もう少し 付き合ってみよう。

お互いを 理解すれば きっと変わる。


そんな風に 自分を騙して 付き合い続けた。


彼が いないよりは いいから。
 

「ユズ、『都合の良い女』に なっていたんじゃない。週末に来ても 部屋に入れたら 駄目だよ。」

麻衣の言葉に 私は頷いて
 
「もちろん。もう 浩太に 触られるなんて無理。」

と言う。