「すみません。予約してないんですけど。歯が 痛くて。診察して頂けますか。」


受付の女性に 私は 声をかけた。
 


「はい。少し 待ってもらえれば。予約の合間に 診察できますよ。」


その人は、感じの良い笑顔で 言ってくれた。
 

「お願いします。」

と私は 健康保険証を 差し出す。
 

待合室には 中年の女性が一人 週刊誌を 読んでいた。


診察室からは 歯医者さん独特の 『キーン』という音がする。