隆三は 食事の用意をする私に とても感謝して いつも労ってくれる。
 

「ユズだって 仕事しているのに。大変でしょう。」

と言ってくれる。


「ううん。リュウは 何でも 食べてくれるから。料理するの すごく楽しいよ。」

そんな隆三だから。

私も 笑顔で家事ができる。
 

食事の仕方が 綺麗な隆三は どんな料理でも 残さない。

献立に不満を言うこともない。


そのことを私が言うと、
 

「親父の教えだから。食事に 文句を言ったらいけないって。」

と隆三は答えた。
 
「へえ。リュウのお父さん 偉いね。私の父なんて よく『これだけ?』って言って 母に叱られていたよ。」

私が笑いながら言うと
 

「ユズの ご両親に会うの 緊張するな。」

と隆三は 私の頭を ポンと叩く。
 

「私も。ちょっと恥ずかしいな。変な親だから。」

私の言葉に 隆三は ケラケラ笑う。
 

「変な親って。ユズを こんな良い子に 育ててくれたご両親だもん。良い親だよ。」


隆三の言葉が嬉しくて。


私は 隆三の顔を見て 目を閉じる。
 

「どうしたの。」


隆三は 熱いキスをした後 私をベッドに運んだ。