「リュウ いつ頃 独立するの。」
 

「4,5年のうちには。所長からも 言われているから。独立する時は サポートするって。」
 
「色々 大変でしょう。私 力になれる?」
 
「力 貸してね。うまくいけば ユズにも 少しは 楽をさせてあげられるよ。」

私は 隆三の腕の中で また首を振る。
 

「私も 協力できたら嬉しい。今から少しずつ 勉強するね。」
 
「頼もしい助っ人だね、 ユズ。」
 

「リュウが一緒なら。どんな事でも 頑張れる。」
 
「それは 俺も一緒。ユズに会うまで 独立なんて する気にならなかった。」
 
「リュウが 仕事に失敗して 一文無しになっても 私が働いて リュウを支える。」
 

「最強の助っ人だ。大丈夫。失敗しても また どこかの会計事務所で働けるし。ユズの為なら 俺も何でもできるよ。」
 

「幸せ過ぎて怖い。夢じゃないよね。」


「夢だったらどうする?目が醒めたら ユズ 前のアパートで。一人で寝ているの。」
 

「意地悪。もう私 一人じゃ 生きていけないの。リュウを知らない頃には 戻れない。」


私は言いながら 涙汲んでしまう。
 

「馬鹿だなあ。夢じゃないよ ユズの泣き虫。」

そう言って隆三は 私の頬を 軽くつねる。


幸せと不安で混乱して。

私はまた、泣きじゃくってしまう。
 


「次の休みは 部屋探しに行くよ。アパートが決まったら ユズの実家に行こうね。」

泣きじゃくる私を 胸に抱いて 隆三は そっと 背中を撫で続けてくれた。