『だねえ。最近何かとニュースになる久遠(くおん)組ってお前も知ってんだろ?』
確かに“クオン”という響きには聞き覚えがある。
『まあ、何となく』
『久遠組は実は15、6年前に指定暴力団の八代目久遠組と中津(なかつ)一家が統合して出来た暴力団らしい。元々2つの組だった』
『それに“ミヤビさん”が関わってんの?』
『そ。中津一家の三代目が『中津碧弥美』。そんで中津碧弥美が久遠組八代目の久遠政彦(まさひこ)に嫁入りしたことで二組がくっついた』
『なるほど。中津一家と清涼会は繋がりが
深いのか?』
『詳しいことは分からないけど、清涼会の奴等の特攻服に中津一家の紋章が刺繍されてる。確実に繋がりがある証拠だ』
そう言って貴斗は画像を見せてくれた。
『今俺が分かるのはここまでだ』
『了解。十分だ。ありがとな』
そして走り出そうする俺の腕を貴斗は掴んだ。
『俺も行く』
『いや、お前を巻き込むわけにはいかねえよ』
『でもっ!』
『駄目だっ』
『分かったよ。でもな……無理すんなよ? お前は――』
『――分かってる。だから京一を探しに行くんだよ』
貴斗の不思議そうな顔を尻目に、俺は駆け出した。
『何で橘が出てくんだ……?』

