京一は黒のスーツに黒のネクタイをしていた。
あ、そうか。ここは葬儀場で……。あれ、でも京一は葬式に来なかったんじゃ……?
「全部」
やだっ。いやだよ。
「――い。……イ?」
「「全部――」」
やめて。言わないで! やだ!
「……レイ、レイ!」
「「「……全部、てめえのせいだろうがっ!」」」
───
─────
「いやあ!!」
「レイ!? 大丈夫か!?」
ガバッと起き上がると、私の肩を掴んで揺さぶっていた腕の中に納まった。
「はっ、はっ、はっ……」
息が上がっている。
「レイ……」
止めどなく溢れる涙。
「……ユウ……っうああ……!」
私は無意識にパジャマ越しの彼の肌に爪を立てた。
自分の意思とは関係無く涙が零れていく。
「……っく、……ううっ……私の、せい……」
「何が?」
「全部、私のせい……全部全部……!」
「どういうこと? ……レイ?」
「……私のせいなの……! 私が、悪、い……」
「レイ? なあ、レイ?」
嗚咽がどうしても漏れてしまう。
抑えきれない嗚咽が洪水のように押し寄せてきて、私には為す術も無い。
『お前のせいだよ!』
『てめえのせいだろうが』
『お前なんか……!』
複数の声が頭の中でうるさいほどに響く。正常な思考を邪魔する真夏の蝉の鳴き声のように、それ以外が聞こえない。
『お前なんか生まれてこなきゃ良かったんだよ!!』
「……いや……! もう、やめて……」
「レイ、レイ! しっかりしろ!」
彼に痛いくらいに強く抱き締められて、私はようやく彼の存在を、体温を、その声を意識した。
痛いくらいなのが丁度良かった。
「……ユウ……」

