それからまた1ヶ月も経たない内にその集団を見ることになる。
その時は――ああそうだ、あの時は酷く変な匂いが充満していて――。
流石にそっち方面は無知な私でも、何か薬をやってることを感じ取った。
その中に京一の影もあった。けど恐らく京一は薬には手を出していないだろう。その集団の中で、京一だけがまともな目をしていたから。
少し安心して、でもやっぱり怖くて。
私は京一が変わっていくことを肌で感じていた。
それはとても恐ろしく感じられた。
……変化は怖い。変わっていくことは怖いことだ。
私の知らない京一の姿は、泣きたくなるくらい私の不安と恐怖を煽ったんだ。
そして、私は京一と言葉を交わすことをやめた。半ば強制的に。
京一に話し掛けない、言葉を聞かない、目を見ない。
それは決して京一への当て付けなんかではなく、自己防衛の為だった。
――知らない京一を見て、一人になって傷付くのがどうしようもなく怖くて。
だから、そうなる前に私から壁を作ってしまおうと、そう思ったんだ。
「触んなよ」
やめてよ。そんな風に冷たい声を出さないで。
――自分から壁を作ったのに、そんな風に思うのは自分勝手過ぎるだろうか。でもそう思ってしまう。
「邪魔」
お願いだよ。前みたいに、優しく笑ってよ。
あ、まずい。視界がぐるぐる回って……。
「「邪魔」」
京一の声がノイズを帯びていく。
嫌だ。頭が痛い。
「「あ? 関係ねえだろお前に」」
「「うるせえよ」」
行かないで。行かないで、京一!
そう手を伸ばすと踵を返して戻ってくる。
「きょ、京一……」

