すると、奏多が手を握ってくる。


「ちょ、ちょっと!振りなんだからこれは無し!」


私は七音の顔が思い浮かぶ。それにあの夜見た綺麗な女の人も。

私はほかの人と手とか繋がれるの嫌だけど、七音はそんなこと無いのかな・・・?



恋人になったらそんなに私の事好きじゃなくなったのかも。


「っは?!なんでそんな泣きそうな顔してんの?!そんなに嫌だった?!」


「ごめん。奏多が嫌なわけじゃないの。ただね、私ばっかり七音のこと好きなんじゃないのかなって思っちゃって・・・・」



私は自分がやられて嫌なことは極力やらないようにしてるつもり。この恋人の振りは仕方ないけど・・・


そう思っていると、奏多が私の涙をぬぐって


「大好きなんだね。七音兄さんのこと。」



人にそう言われると恥ずかしくてまた顔が紅潮する。



「うん・・・大好き。」



「こりゃ奪おうものなら兄さんに殺されるな。」




・・・・・殺される?