鏡に映る自分がいつも嫌だった。


 ほっぺにあるそばかすがコンプレックスで仕方がなかった。


 だけどお母さんに言われるがまま、美容院を予約したのだった。


 初めて行った美容院のお兄さんに要望を聞かれた時に焦ってしまった私。


 咄嗟に目の前の雑誌の表紙の女の子を指さしてしまった結果、今の髪型ができあがったのだった・・・。

 
 伸びきった黒い髪をシャンプーしてもらい、鏡の前の自分のそれがどんどん短くなっていくのと、胸が高鳴っていくのを同時に感じた。


 いつもの私じゃない・・・。


 カットが終わって、初めてブリーチ剤を塗られた時、皮膚が少しヒリヒリした。


 女の子達はこんな努力をして可愛さを手にしていたんだと初めて知った。