『新田さん、一限出てる?』


 四月も下旬にさしかかった頃。


 初めて桐谷くんからLINEが届いた。


 たまに四人でご飯を食べたりすることはあったけど、桐谷くんと二人きりで話すことはほとんどなく、どういう人なのか未だにわからない部分がある。


 どうしたんだろう。


 もう九時四五分。


 一限は九時から始まるから、始まってからだいぶん時間が経っている。


 金曜日の一限は、四人の中では私と桐谷くんしか取っていない授業だった。


 お互いに同じ授業を受けていることには気付いていたけど、今まで一緒に受けたことがあるわけでもなかったからなんだか気になる。