『家に誰もいないから泊まって行って欲しい』なんて言えない。


 でもだからと言って帰って欲しくない。


 大和くんが私のことを好きだということを知らなかったら、もう少し楽に言えたと思う。


「苗、素直になったら? それともまた意地悪なこと言われたいの?」


 Sっぽさを出してくる大和くんに、不覚にもときめいてしまった。


 自分にこんな一面があったなんて知りもしなかった。


 どうして意地悪そうな大和くんにときめいてしまうんだろう。


 私は掴んでいた手を離した。


「一人でいたくないって思ったの・・・・・・・・・・・・」


 自分の気持ちがどんどんわからなくなる。


 大和くんに対してどんな気持ちを持っているのか。


「・・・・・・・・・苗さ、俺が好きだってこと、本当にわかってんのか?」


「え・・・・・・?」