その後、私は黙々と仕事を終え、家まで急いで帰った。


 お母さんが用意してくれていたご飯も口にせず、自分の部屋へ駆け上がる。


 ベッドに飛び込んで、溢れてきた涙を枕に押しつけた。


 訳もわからず、ただつらかった。


 どうしても美舟さんと自分を比べてしまう。


 私は夢中で陽十香に電話をかけていた。


『な、苗!? どうした??』


「ひ、陽十香ぁー・・・・・・」


『え、え、苗、泣いてる!?!』


 まだ私が雅暉さんのことを好きだということは、大和くんしか知らない。