美舟さんとうまく話せない・・・。


 こんな自分が嫌になる。


「ねー! 美舟ー、苗ちゃーん! ちょっとこっち来て!」


 18時30分。


 あと30分で雅暉さんが帰ってしまう時、キッチンにいた雅暉さんに呼ばれた。


 店内のお客さんはいつも来てくれる常連のおじいさんだけだった。


「あんね、新作メニューのつもりでこないだ家で色々考えて、二種類あるんだけど、見た目だけだとどっちが良いと思うか見て欲しい」


「あー、前言ってたやつね! 良いよ」


「っ・・・・・・」


 私はうなずくことしか出来なかった。