『僕と付き合ってみる?』


 そう言われたことを思い出して、また胸が高鳴った。


 もし自分が雅暉さんだけの特別な人になれたら、どんなに嬉しいだろう。


「はぁ・・・・・・」


「苗ちゃん? 大丈夫?」


「あっ、いや、何でもないです・・・!!」


 いけない・・・。


 ため息が思わず出てしまった。


 バイト中に私は何を考えているんだろう・・・。


 美舟さん、優しくて声まで可愛くて嫌になっちゃうな。


 なんにも勝てない。


「こんなに暇だと、ため息も出ちゃうよね」


「た、確かに今日は結構落ち着いていますね」