陽十香だって私を否定しようとした訳じゃないことはわかっている。


 ただ、それはつらい道だから。


 彼女がいる人を好きになるのはきっと、つらいことだからそう言ってくれたんだ。


 だけど私にとっては初めての恋だった。


 こんな気持ちは初めてだった。


 それを大和くんは気付かせてくれた。


 大和くん・・・・・・。


 大和くんと友達になれて本当に良かった。


 午後三時半。


 私たちはカフェを出た。


 大和くんは、『今日は俺が誘ったし、俺が払うよ。苗の初恋記念日』


 と言ってお会計を済ませてくれた。