「苗ちゃん、リップの色すごい可愛いね!」


「えっ・・・!! ありがとうございます」


 私に一歩近づいてきてそう言った雅暉さんにドキドキしてしまった。


 顔をのぞき込まれて思わず目を逸らしてしまう。


「うんうん! 僕、苗ちゃんの顔すごいタイプなんだよね」


「えっえっ」


「うん、本当に」


 雅暉さんの顔を見ると、とても真剣そうな顔でうなずいていた。


 た、タイプなんて・・・・・・初めて言われた・・・。


 彼女である美人な美舟さんとは似ても似つかない私の顔がタイプだなんて・・・。

 
 お世辞でも嬉しい。