と言いながら目線を逸らし、顔の横の髪をくるくると触り始めた陽十香。


 照れてるのかな、これは。


「・・・・・・正直ね、怖いんだ」


「怖い・・・?」

 
 うつむいて話す陽十香はとても寂しげに見えた。


「うん。前の彼氏ね、ずっと目指してた大学が通えないところで。私もどうしても志望校は変えられなかったから、それでギクシャクし始めて・・・・・・。半年くらい前に結局別れちゃったんだ」


「うん・・・」


 大学に入る前、と言っていたけど、大学が決まる前から別れることを決めていたんだ。


 前に二年付き合っていた、と言っていたしたくさんつらい思いもしたんだろうな・・・。