「じゃあ」


 私は玄関までの階段を上がり、もう一度大和くんの方を見た。


 あ、まだいる・・・。


 大和くんは私の後ろ姿をずっと見てくれていた。

 
 優しいんだな、本当に。


 私は「ありがとう」の意を込めて、大和くんに笑いかけた。


「苗、あのさ・・・また・・・・・・甘いモン食いに行こうな」


「っ!! うん! 行こう!」


 『甘いモン』を恥ずかしそうに誘ってくれた大和くんに手を振り、私は家の中へと入った。