ー翌朝ー

んー、よく寝た。
久しぶりに咳も出ずに寝ることができた。
周りを見ると見覚えのない部屋。

…ここどこだっけ?
すぐに思い出して恥ずかしくなる。
他人の家で爆睡するって…女として終わってる。

時計を確認すると…まだ6時前。
お手洗いを借りようと部屋を出る。

当たり前だけど…まだ起きてないみたい。

キッチンの方へ目を向けると昨日の鍋の残りが
そのまま置いてあった。

…片付けたがいいよね。
そう思って洗おうとしたけど、ふと手を止める。

「…出汁もったいない。」

朝ごはんに雑炊でも作ろうかって思ったけど、
やっぱり人の家で勝手に料理するのはマズいよね…

キッチンを行ったり来たりしていると、
和弥さんが起きてきた。

和弥「…何うろうろしてんだ⁇」

「えっ…あ…お、おはようございます」

和弥「…おはよう。答えになってないけどな」

「えっ⁉︎…あ、あの。昨日のお鍋が残ってて…
捨てるのもったいないから、朝ごはんに雑炊でも…
って思ったんですけど…キッチン勝手に使うのも
よくないし…どうしようって、…思ってました。」

和弥「思ってました…って。
別になんでも使ってもらって構わない。
気を遣わなくていい。ご飯なら冷凍のがあったかな。
なに、ご飯作ってくれんの?」

そう聞いてくれるけど…
こういうのって嫌がられないかな。