色々思い返していたら申し訳なくなってきて、
思わず涙が出てくる。

「うっ…うっ…」

和弥「えっ…どうした⁇」

初めて聞く、ちょっとだけ慌てた和弥さんの声。

「っ…ごめ…ごめ…なさい…迷惑、かけて。
すみ…せん…すみません…」

頭にぽんっと手が乗る。

和弥「謝る事じゃない、俺が勝手にしてることだ。」

初めて聞く、優しい声。
思わずドキッとする。

…顔があげられない。多分今、顔真っ赤だ。
それでも泣き止まない私に、

和弥「そろそろ泣き止んだがいい。
呼吸が乱れてまた発作が出るぞ。」

…そうだった…彼は医者なんだ。

胸の奥がチクッとなって、複雑な気持ちになる。
嬉しいのに、嬉しくない。
…この気持ちは何⁇

もやもやした気持ちを抱きながらも
涙は少しずつ落ち着いてくる。

和弥「…落ち着いたか?」

「…はい。」

和弥「じゃ、俺は仕事に戻る。」

「えっ!もう…⁇」

和弥「なに、まだ居てほしいの⁇」

ニヤリと笑って顔を覗いてくる。

…近い。顔がカーッと熱くなる。
恥ずかしくなって思わず目を逸らす。

「い、いえ。そういうわけじゃ…」

和弥「…出来るだけ早く帰るから、
大人しく待ってろよ?」

またニヤリと笑われる。

「……は…はい。」

ほとんど声は出てなかったと思う。
恥ずかしすぎて顔も見れない…

…あれはズルい。