それでも和弥さんのお説教は止まらない。

和弥「それに雨が降るって言ってんのに、
公園に寝てたらしいじゃん。今どきドラマでも
もう少しまともなとこに行くだろ。
あんなとこに居たらこうなる事くらいわかるよな?
一応ね…仮にもあなた医者の彼女なんですよ?
その自覚あんのか?
もう少し自分の体調管理くらいしろよ」

怒ってるけど、それは私を心配してくれての事。
父親に怒鳴られた時とは全然違う。

確かにちょっと怖いけど、怒られてるのに
嬉しかったりして、何とも不思議な感覚。

怒られる事が幸せな事だなんて、初めて知った。

そんな事を考えていると…聞いてんのか、と
頭を小突かれる。

あぁ。この人が、ニヤリと笑うこの顔が…
堪らなく好き。

そして今日はよく喋る。
普段から口数が少なく、口調だって冷たい。
まともにデートもしないし、
「好き」なんて言葉を聞いたこともない。
それでも、彼の言葉や態度は私を包んでくれて
私はその度に、彼を好きになっていく。

それは多分これから先も変わらない。

だから… この人と一緒に居たい。
もう離れるなんて考えたくない。
その気持ちも込めて、精一杯の言葉を口にする。

「だいすき。」

和弥「…俺も。」