「な…何を?」

和弥「俺と亜妃が付き合ってることも、
同棲してることも。」

うそ…

和弥「結局さ、春川って名前で生きてるから
そうなるんだろ?お前も、お前の父親も。
だったら、苗字変えてやるよ。」

「えっ…」

それってどういうこと…?

ポカンとしてしまった私に、少しだけ口角を上げて
言葉を続ける。

和弥「結婚しよう」

「へっ…け、結婚…?」

まさかこの場面で結婚ってワードが出てくるとは
思わなかった。

開いた口が塞がらないとは今の状況を言うだろう。
状況を飲み込めない私を置き去りに話を続ける。

和弥「結婚してしまえば、春川じゃなくなる。
お前がいつまでもそうやって父親に縛られてるんなら、
俺が解放してやるから。」

「ちょ…ちょっと待って。そんな…
私のために和弥さんの人生壊すわけには
いかない。」

和弥「いや、言い方悪かったな。
でも、別に人生壊されるつもりはねぇけど。
そりゃタイミング的には、亜妃が大学卒業して、
落ち着いたら…くらいには思ってたけど、
…俺が決めて、俺がそうしたいと思って
言ってるけど?」

結婚…考えてくれてたの?
もうそれだけで充分だ…

だから尚更、この人の人生壊したくない。