ーバイト中ー

和弥さんの事が気になりながらも、
仕事をしていると、突然声をかけられる。

?「あれ…君さ、どっかで俺と会った事ない?」

…おっと、凄い新手のナンパだな。

そう思って顔をあげると、確かに見覚えのある顔。

…山下京介。
あの合コンに来てた1番チャラそうな男の人。

「さ、さぁ…?」

忘れてくれてるならそれが1番だと思って
こっちも知らないフリをする。

京介「そっか。…コーヒーひとつ。」

「少々お待ち下さい。」

そう言ってコーヒーを淹れていると、慶太さんが
入ってきた。

京介「お、慶太!こっち‼︎」

慶太「待たせて悪いな。」

入ってくるなり、私の存在に気付いて声を
かけられる。

慶太「お、亜妃ちゃん。久しぶり。
最近は体調は大丈夫?」

「…はい、お陰様で。」

その様子をみて山下さんは不思議そうに尋ねてくる。

京介「慶太なんでこの子知ってんの?」

慶太「和弥の彼女。前、お前主催の
飲み会の時にいた子だよ。…覚えてない?」

あ、それ言っちゃうんだ。

そしてこの人主催だったのか…

みさきからは元々先輩が行くはずだったけど、
行けなくなったから代わりに頼まれた、と
聞いた気がする。

京介「あぁー…だからなんか見たことあったのか。
…え、てか和弥の彼女なの?」

「えっと…は、はい?」

京介「まじか…あの和也が。へぇ…
てかなんで疑問系なんだよ」

心底驚いたような京介さん。

なんて答えようかと思っていると慶太さんが
助け舟をだしてくれる。

慶太「そんなことより、学会の会場なんだけど…」

そう言ってテーブル席で話しだした2人。
あ、仕事の打ち合わせだったのか。

そういえば京介さんは今まで一度も見たこと
ないけど、ここの病院の人じゃないのかな?
今日もがっつりスーツ着てるし…。

京介「…和弥も発表者だろ?後で聞いてみるか。」

そんな声がしたけど仕事の話だからと、
あまり気にしていなかった。