和弥「亜妃…。今回は俺が悪かったけどさ、
発作が起きた時はちゃんと言え?何のために
一緒に居るんだよ…1人で我慢するの禁止。
ただでさえ自分の体調に疎いんだから。良い?」

「…うん。分かった、ゴメン…」

和弥「うん、なら良い。もう寝ろ?」

安心したら眠気が出てくる。

…それより。婚約の話が無かったってことは
家に居ていいんだよね?

「うん…。あ、あの…かず…じゃなくて…
せ、先生…」

この呼び方慣れないな。

和弥「えっ…あぁ、なんだ?」

「…お家、帰りたい…です。」

和弥「ハッ…お前、さすがに急すぎんだろ。
突然先生なんて呼ぶから何事かと思えば…」

「病院では先生って呼べって言うじゃん…」

和弥「いや、そうだけど…」

「…ダメ?」

和弥「俺も早く帰ってきて欲しいんだけど。
でもお前ご飯食べれないだろ…今、栄養状態
悪すぎだから、それが改善してからだな。
まぁ、最低でも後1週間は入院だ。」


絶句、とはこの事だろう。

確かにこの数日は意識なかったけど、さらに
あと1週間もここにいなきゃいけないなんて…

それは私には結構厳しいことで。

「…お家帰ったらちゃんと食べる」

和弥「家帰ったらいろいろ無理するだろ。」

「無理しないから。だから…お願いします。」

できればもう病院は勘弁だ…

やっぱりこのベッドも、匂いも、
看護師さんも全部が嫌だ。

どうにかして家に帰して貰おうとお願いすると

和弥「うーん…ちょっと考えさせて。」

そう言って出て行ってしまった。

私は私で睡魔が襲ってきてそのまま眠りについた。