「なっ⁉︎」

もう!私怒ってるんだけど…
あの笑みを向けられると怒れなくなる。

「な、なんで私があの人に嫉妬しなきゃいけないのよ‼︎
そんなんじゃなくて…。
和弥さんの態度っていうか…もう!
よくわかんないけど‼︎とにかく嫌だったの‼︎」


和弥「悪かったって。インフルの検査くらい
した事あると思って…痛かった?」

「すっごい痛かった…鼻血出るかと思ったもん。」

和弥「フッ、鼻血て…。そんなに強くしてねーよ。」

「…もういい‼︎寝る!」

口で何言っても勝てないもん。やめよう…

背中を向けてベッドに行こうとすると、
腕を引っ張られて和弥さんの腕の中。

和弥「悪かった、悪かった。だから機嫌直せ…な?」

頭ポンポンしながら顔を覗き込まれる。

……。
顔見られたくなくて、胸に顔を埋める。

和弥「…亜妃。顔上げて」

「む…むり…」

和弥「うん。…その行動も可愛くて、
そそられるんだけど、俺、まだ仕事あるんだわ。
飯食って戻んないと。」

そっか…まだ仕事中だもんね。
わざわざ様子見に戻って来てくれたのに、
怒鳴り散らして…最低だ。

「あっ…うん、ご…ごめんね。
せっかく帰って来てくれたのに…」

気まずくて目を合わせられない。

和弥「…亜妃の怒ってるとこ初めてみた。」

「ごめん…大人気ないよね。」

和弥「…可愛かったよ」

ニヤっと笑ってコンビニで買ってきたご飯を食べ、
バタバタと仕事に戻って行ってしまった。