一つの円。 空っぽの円。 底抜けの円。 透明な円。 それは、原点(0,0)から遠く離れた 誰とも重なることのない形。 内側が涙で満たされて、 一滴一滴が、 無造作な位置へ定義されても、 その理由を知る人はいない。 故に他人は、 違う命題の中に存在する。 どんなに手を伸ばしても、 誰かの線さえ交わることすらない。 とても孤独な二次元平面図の世界。