【キーンコーンカーンコーン】
『はい、みんな〜今から授業を始めたいから誰か挨拶やってくれない?』と先生は言ったが、、誰も挙げないから先生は指名をした。
《誰も挙げてくれないみたいだから先生が勝手に決めるね。はい、窓を見てるさやさん!》
(あーさっきの可愛かったなぁ…。)
「……おいっ。おーい。さや。さや。先生が呼んでる。」と隣の男子が私を呼びかけてくれた。
「…。あ。すみません。空を眺めてました。」と勢いで喋った。
《さやさーん。。。正直なのはいいけどちゃんと見てね。》
呆れてる顔で言われた。
「すみません…。」
うわ、やっちゃったな…。
「気をつけーーー!!!礼。」
《今日…さやさん。大丈夫?なんかおかしいよ?》と先生は心配してくれた。
『いや、普通だと思いますけど。』
《いや普通じゃないよなみんな。》
「「うんうん」」とみんな同時に頷く。
『え、まじ?』と変に焦る私。
《ま、いいや。これから実験するので…説明よーく聞いてください。》
「「はーい」」
『なぁ、お前。アイツのこと好きなのか?』と手話でさりげなく聞く隣の男子。
「え…。いや。違う…。」
「そっか。俺の気のせいか。」
「うん気のせいだと思うよ。」と強制的にお話を終わらせた。
《はい、今からやるよ〜。》
(静電気の実験か。。)
《人工内耳の子は一応やめといた方がいいね。頭に何かあったら困るからね…。》と一応確認しながら言った。
1部の人工内耳の子は近くに寄らず見てるだけだった。
だが、私は普通に補聴器を使用してるから参加出来るのだが正直に説明は全く聞いてなくて…いきなり先生がこう言った。
《はい、手を繋ぐよ〜!》
「はっ?!手を繋ぐ?!えっ?!」と焦ってみんなをチラチラ見る。
「えー聞いてなかったの?ちゃんと説明したよー。同じ説明はしないからな?」
「あ、はい…。」
やむを得ずに誰と手を繋ごうかと迷ってたらもう早い者勝ちって感じになっていたのだが、先生の隣空いてて、、え?と思ってみんなを見たらみんなが口パクでと、な、り、に、い、け!とニコニコして言うもんだから恐怖を感じたけどみんななりの優しさなんだろうなと思いながらお言葉に甘えて、、隣に居させてもらった。
「はい、改めて手を繋ぎます!」と先生が言った途端、同時にみんなで手を繋いだ。
やはり…先生は手が大きかった。
気のせいなのか分からないけど先生からぎゅっと手を繋いできた。
「えっ?」
先生を見上げた。
先生は何も無かったかのような顔をして…
「はい、準備OK?!始めるよ?!」
「「はーい!」」
(バチッ)
「痛てぇ…。みんなはどうだったかな?」
「「痛くなかった!」」
『痛かったです…。』と私は小さい声で言ったら
「あ、、!ごめん!痛すぎてさやさんの方にも強く握っちゃった。」と手を合わせて謝罪してた。
みんなは私と先生をみて笑った。
「あ、これくらいなら平気です笑」と上手く誤魔化した。
(あーあ。きっと赤くなってんだろうな顔。)

