1時間目と2時間目が終わり、ようやく3時間目。
『ねぇ、三時間目。美術でしょ?何すんだっけ?』と理子ちゃんに聞いた。
『えー?忘れたの?絵の具を使って作業するとか言ってたよ』と呆れてる顔をする理子ちゃん。
(いや、理子ちゃん?あなたさっき、時間割間違えてたのよ?)
「さ、始めましょう。日直さん、挨拶よろしくお願いします〜。」と美術の先生が言った。
『よーし!何を描こっかな。あ、理子はどうするの?』
『んーとね。私は〜モルモットを描く予定!!!』とニコニコ笑う理子ちゃん。
ピョロローーーンとチャイムが鳴り…【食堂から発火……】と放送が流れてそれを聞いた美術の先生は『みんな、今、食堂から火事が起きたみたいだから校庭へ避難するよ!今からヘルメット配るから!』と奥の部屋に行った。
だが、、美術の先生はなかなか戻ってこない。
「おーい、先生、大丈夫っすか?」と男子1人が呼びかけた。
呼びかけてすぐ先生が現れ、『ごめん。何故か分からないけどヘルメットみんなの分ない。後で校長先生に報告しておくから今回だけ、ヘルメットなしで避難するよ!』と頭かきながらいった。
(この時、、私はこの一件のお陰で私の視界がガラリと変わるとは思わなかったんだ。)
『本来なら死んでるかもしんないねこれ。』とダメじゃこりゃみたいな顔をしながら言った
『それな〜。本番そうなったらやばいねぇ。』
仕方がなく私のクラスだけヘルメットなしで避難した。
当然先生達や他の生徒達にも「え?なんであのクラスだけ…」という顔をされた。
(あーあつー。ヘルメット欲しかったぁ。。ん、んー?なんか近づいてきてる…な。)
スタッスタッと私の所へと近づいてくる同学年である平田先生。
そして目の前に現れ、、
『ねぇ、なんでこのクラスだけヘルメットがないの?』と私のクラスだけを見渡しながら不思議に言う先生。
『あーなんか美術室にはヘルメットが全員分なかったんです。』と苦笑いしつつ説明した。
「そんな事あるの…?!」
(いやそんな事があったからこうなってんでしょうよ…。)
「あるみたいですね…。」
「じゃあ、、先生のヘルメットつけて。頭熱いだろ?熱中症になったら困るし…。」と先生はヘルメット外して私に被せた。
(いや、平田先生?私は一言も欲しいとは言ってないんだけども…)
「あ、あ、ありがとうございます。」と曖昧のお礼を言った。
そんな時に
《今日の避難訓練はどうでしたか?静かに避難できましたか?》と生活指導部の先生が喋り始めた。
「できましたぁぁぁぁ!」
(小学生みたいな発言をするんだなみんな。
でも明らかに思いっきり喋ってたじゃん。ま、私も喋ってたから人のこと言えないけども。)
校長の話は相変わらず長く…聞き流してたらあっという間に避難訓練が終了した。
ヘルメットを渡そうと、先生がいないか探したら先生が玄関に入ろうとした所を見つけ、、大きな声で呼びかけてみた。
「平田先生〜!!!ヘルメット、ありがとうございました!助かりました!」
「お、うん!良かった良かった。でも今回のことはあっちゃいけない事だな笑」
「そうですね…。万が一本番も同じこと起きたらやばいですよね。」
「おう、、みんな、死んだらどうにもならないからね。」
「ですね。」
(なんだ?この感じ…。ギュッとする。)
その日の夜
「なんだろうなこのぎゅっとする感じ。というか、なんで先生は前の3人じゃなくて私に聞いたのかな。なんでかな。」とずーっと気になりだし始めたのだ。

