|《再会》 なつきside




満開の桜に祝われながら、私の専門学校生活が始まろうとしていた。




「はぁ。初めてのひとり暮らしに、友達もいない。大丈夫かな〜。」



私は白石夏樹。この春から晴れて専門学生となりました!




私が今日から通うのは、保育の専門学校、神宮学園福岡チャイルドティーチャースクール。


小さい頃から夢だった幼稚園の先生になるために、数ある学校の中からこの学校を選んだ。






それにはある理由があった。





「先生どこにいるかな?」





初日の授業も終わり、私はある先生を探しに、学校を探検していた。




「条せんせーい!」




他の生徒の声が聞こえた。




すっと頭に入ってくるその名前。





「あ、見つけた。」




私の視線の先にいるのは



条絢香先生。





この先生こそが、この学校を選んだ理由の一つ。





先生は声をかけてきた生徒と話している。




「何話してんだろ。」




気になった私は近くまで行った。





「先輩だ。」




名札を見て先輩だとすぐに分かった。




私の学校では名札の色で学年がわかるようになっている。



3年生が赤

2年生が青

1年生が黄色だ。






「ねぇ先生。彼氏とどうなった!?」






衝撃の質問だった。




え。。。先生彼氏いたの。





「もう!何言ってんの!早く帰りなさーい!」




先生は照笑こそしたものの、否定も肯定もせず、先輩達を帰らせた。






「あら?新入生ね。もうすぐ18時よ〜。

早く帰りなさいね〜」




「あ、はい。」





私は頭が真っ白になって、その場で立ち尽くしていた。




先生は私に気づく訳もなく、帰るよう促して、職員室に入っていった。