もちろん、かんなも彼もわたしには気づかなかった。

でも、気づいてほしい。とそう思ってたのも嘘じゃない。

怖いはずなのに、どうしてそう思っていたのかわからないけど、でも2人ならこんなわたしでも受け入れてくれるって思ったんだ。


「美玲ちゃん、一緒にかえろ?」

そういってわたしに微笑んでくれたかんな。

中学時代のわたしはそのかんなに何度救われてきたかわからない。


よっぽど塾が嫌いだったのか途中でかんなはこなくなってしまったけれど、あのとき、一番ひどくいじめられていたときにかんながいてくれたから、わたしはいま生きていると本気で思う。


心も体もボロボロで、好きな人とは別れ、親友にはいじめられ。

どん底にいたわたしにとってかんなの存在は神様のようだった。