そうして俺の背中を押してくれる。


普通なら美玲のもとへいけなんていえない。

でもかんながそういえるのは俺の幸せを願ってくれてるから。



「いってあげなよ。かんなのところ」


もうとっくに気づいてた。

あんな風に笑って、はしゃいで、俺のことを笑わせようと必死で、眉間にしわをよせて考え込んで、泣かないように必死で涙をこらえて。

そんなどうしようもなく、俺のことを好きでいてくれるかんなのことが俺も好きだってこと。



「美玲ありがとな」

「こちらこそ。ありがとう」


今度は、永遠のお別れじゃない。

またいつでも会うことができる。

そのときは、全く違う2人として「友達」として会おう。


俺はふたたび走り出した。

愛する人がいるもとへと―――。