「笑っちゃうよね?整形までしちゃうの。それなのに、傷痕は残しておくなんて。わたしも同じだよ玲司と、ずっと過去にしばられてる」


そういってシャツを少しだけあげた美玲のお腹にはやっぱりあの頃と変わらない傷がたくさんある。


「わたしがおかしくなったなんていって、両親の喧嘩が絶えなくなって、離婚して。苗字も佐々木から遼河になって。でもちょうどいいと思った。中学生までのわたしは死んだんだよ」


そういいきった美玲はずいぶんすっきりしてみえて。


「美玲は...俺がいるって知ったとき、どう思った?」

「元気でいてくれてよかったって思ったよ」

「そっか」

「ねえ、玲司。本当に終わりにしよう。わたしたち」