「...っ、こんなにも、好きになるつもりなかったのになあ...」

走り去っていく玲司の姿。

「さよなら」

そう口にしたわたしを、玲司はどう思っただろう。

わたし、上手に笑えてたかな。



玲司の過去をきいたとき、すべてがわたしの中で一致した。

美玲があのとき動揺した理由も、怯えていた理由も。

玲司のことを先輩と呼ばず生徒会長と呼んでいた理由も。


美玲はどんな気持ちで玲司と仲良くなったんだろう。

どんな気持ちでわたしを祝福してくれたんだろう。