✬ 「...かんな?」 途中からかんなの様子がおかしいことは気づいていた。 「玲司、今すぐ美玲のところにいって」 「...かんな、どうしたの?美玲のところって、もう美玲がどこにいるかも知らないんだよ」 「違う。遼河美玲のところにいって」 「っ」 「彼女が美玲だから。佐々木美玲」 かんなは俺の動揺なんて気にもせず、そう俺にいう。 「なに、いって...?」 確かに名前は一緒。 でも、苗字も違うし、だいいち顔が違う。