「ねえ、きいてる?」

は!この子に見惚れすぎててわたしまで恋に落ちるところだった。


「ごめんなさい。これ、ありがとうございます」

「どういたしまして。でもそれ一回洗ってきた方がいいよ?」


たしかに。
このままじゃ流れ落ちた血までは隠せない。


一緒についていこうかといってくれたその子を断って水道水で軽く流した。

はあ、入学早々本当にこんなんでわたしやっていけるのかな。




「おーい、廊下に並べー」

そんな声が聞こえて、急いでハンカチで水分をふき取り、かわいいキャラがかかれた絆創膏をはった。


出席番号順に並ぶと、すでにまわりは仲良くなったのかざわざわとうるさくて、わたしはひとりぼっちだった。


そういえばさっきの女の子はどこだろう。

体育館までの道を歩きながら前にいないことはわかって、後ろをチラっとみると一番後ろにその子はいた。