「先輩、この前いってたやつ今度貸してください」

「ああ、いいよ。明日持ってくるわ」


俺たちは必然的というべきなのか、俺が引退する頃にはモノの貸し借りなどをするくらい仲良くなっていた。


最初のイメージは真面目だったんだけど、ずいぶん深くかかわるようになってきてからそれ以外の彼女のよさをたくさん知ることができて。

気になる存在になり、好きになるのもそう遅くはなかった。



「付き合おう」

「はい」

俺と彼女の間にはそんな短い言葉が交わされただけ。

好きとかそういうのが恥ずかしくて。でもちゃんとわかってた。

俺は彼女のことが大好きで、彼女も俺のことが大好きだってこと。

それくらい俺たちの中で関係はできあがっていた。