「――じ、れいじ!」

「え?」

「ぼーっとして、どうしたの?」

「ああ、ごめん」

いま目の前にいるのは、俺のことを好きでいてくれる女の子。

2番目ならいいといった俺に、それでもいいよといってくれた子。



「玲司、今度誕生日でしょ?なにかほしいものあるかなって」


かんなを好きになれたらどれだけ幸せなんだろう。

3年も前の崩れ落ちた幸せの修復よりも、きっとずっと簡単な道。

その道を選んだほうがきっとずっと楽しくて幸せだ。


「なんでも嬉しいよ。かんながくれるなら」

そんな答えしかいえなくてごめん。

逆に困らせてしまうような、汚い自分でごめん。