「...美玲?」 でもそう聞いたあとの美玲の反応が明らかにおかしい。 目が泳いでいて、何かに怯えているようにみえて。 「...なにか、知ってるの?」 「...知らない」 美玲はそういったきり無言になって。 わたしもそれ以上聞くことができなかった。 外ではそんなわたしたちとは対照的にうるさいくらいセミが鳴き続けていた―――。