「俺のことも、玲司でいいから」

「...え?」

「付き合ってるんでしょ、俺たち」


ああ、ずるいよ。その笑顔。

そしてそのワード。


「やった。玲司、玲司、玲司」

「うるさい。ほら、動物触るんだろ」

先輩、あ、違った。玲司が少し照れた。

かわいい。


「はーい、次の方どうぞ」

そういわれて、かごを渡されるとその中にはうさぎがいた。


「抱っこはしないでくださいね。それと優しくなでてあげてください」

「か、かわいい」

灰色の毛に、真ん丸お目目。

長い耳に小さいしっぽ。

うさぎをこんな間近でみたことなんてないから。