たしかに塾には通っていた。

すごくいやいやだったからわたしにとっては苦痛の塾だったんだけど。


そこでたしかによく話す友達がいた。

その子の名前は...


「美玲ちゃん?」


思い出した。美玲ちゃん。

いつもわたしに話しかけてきてくれて、癒しの存在だった美鈴ちゃん。


わたしの記憶にいる美玲ちゃんは全然ブスなんかじゃなかった。

このときだって十分かわいくて明るい女の子だったと思う。

塾が嫌だったのに通うことができたのは、美玲ちゃんがいたから。



「そうだよ、かんなちゃん」

どうして、いままでわたしは忘れていたんだろう。