「さ、こんなとこでもたもたしてると遅れちゃうよ?ね?」 彼の言葉に、高校合格祝いに親に買ってもらった腕時計をみると、、 「え!もうこんな時間!!じゃあ失礼します」 同じ制服だって思ったのになぜかそんな挨拶をして。 「あはは。うん、またね」 彼が笑った瞬間、桜の花びらが舞った。 そのとき思ったんだ。 彼は桜の精霊なんじゃないかって。 それくらい桜がお似合いで、笑った顔は儚くてでもすごく綺麗だった。