「ひいたでしょ、整形したって。かんなはわたしのことかわいいっていってくれるけど、違うの。これは作り物」

あまりにも壮絶な過去に、わたしは言葉がでない。


「顔はかえたけど、痣は消えてない。消えたはずの過去なのにわたしの中ではずっと残ってる」

そういってシャツをめくった美玲の体は思わず目をそむけたくなるほどの痣の痕があった。


「でもわたし変わりたくってさ。せっかく可愛くなれたんだから、この可愛さを、他の子のために使いたいって思った。それでみつけたの。かんなを」

「え?」

「わたし中学のとき唯一楽しかったことがあったの」

「...楽しかったこと?」

「学習塾。そこで出会った女の子と話してる時間だけが、わたしにとっての幸せだった」

「塾?」

「そう。わたし顔変わったから覚えてないよね」


そういわれて、わたしは自分の過去の記憶をたどった。