「失礼します」

「あら、どうしたの?」

「ちょっと、転んじゃって」

そういって手をみせると消毒液と絆創膏をもってきてすぐに手当をしてくれた。



「先生、少しだけベッド借りてもいいですか」

美玲がそう問うと先生は静かに頷いた。

きっと体調が悪いわけじゃないただのさぼりだとわかったと思うのに、先生はなにも聞かなかった。


「ちょっと職員室戻るけど、なにかあったら呼んでちょうだい」

さらにそういって席を外してくれた。


「はい、ありがとうございます」

先生が去っていったあと沈黙が流れた。

それはものすごく長く感じたけど、きっと短かったんだと思う。